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秋である。読書にいそしむ人、スポーツを楽しむ人、芸術作品に触れ、心を豊かにする人、旺盛な食欲で体を肥やす人。或は、色鮮やかな紅葉を愛で、自然の美しさを実感している人など、秋という季節、何をするかは人それぞれ。まさに隣は何をする人ぞ、である。
僕は、と云うと、相も変わらず自然の表情を追い求めて彷徨を続けている。ここ数年僕は、モノトーンの世界に強く惹かれるようになった。写真は雄国沼、晩秋の光景。夏の喧騒はすでになく、木道に僕以外の姿はなかった。
枯れ姿を前にすると大抵の人は寂しさを覚えることだろう。だけど僕はすべての色を捨てたこの枯れた姿に、生命の真の輝きと美しさを感じる。そこには次の世代へ生命をバトンタッチする厳かな自然の「儀式」の色があるわけで、人の眼を奪う派手さはけっしてないけれど、琴線に響く渋いトーンだと僕は思っている。
何事につけ、残心の趣をじっくりと味わいたい。そんなことを考えている秋の夜長であった。

生出道憲 oide michinori

1961年12月28日宮城県生まれ。福島県会津地方及び中通りなどを中心に活動をするちょっと謎めいた自然・風景写真記録人。

http://www7.plala.or.jp/m-graphy/


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